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ヤングアダルト最前線
第15回 今なお読まれる70年前の名作、太宰治「人間失格」の謎に迫る
近年、太宰治『人間失格』が中高生の人気を呼んでいる。2021年の学校読書調査では、高1男子の読んだ本の1位を獲得。18年の調査でも、高校女子の上位に入っていた。 たしかに『人間失格』は、読書感想文や各社の夏休み文庫キャ […] -
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第14回 ’21年学校読書調査から検証2、東野圭吾作品に根強い支持
2021年の学校読書調査では、東野圭吾の『ラプラスの魔女』や、「マスカレード」「加賀恭一郎」「探偵ガリレオ」などの複数のシリーズが、高校生に支持された。だが2012年の同調査では、中高生に対する「いちばん好きな作家は? […] -
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第13回 ’21年学校読書調査から検証、高校生に人気の知念実希人作品
2021年11月、同年6月に実施された学校読書調査の結果が発表された。この調査では毎年、小中高生に「読んだ本」を訊いているが、その結果から最新の中高生の読書傾向について考えてみたい。 ジャンルとしては、ケータイ小説系 […] -
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第12回 若年層に刺さるプロモーション施策、「ピッコマ」運営会社に聞く・下
前回に続いて、マンガアプリ「ピッコマ」を運営するカカオピッコマに、若年層に刺さるプロモーション施策を聞いた。 「2019年12月に配信を開始した、HoneyWorks『私、アイドル宣言』のSMARTOON(縦スクロー […] -
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第11回 〝Z世代〟に人気のマンガアプリ「ピッコマ」運営会社に聞く・上
今回は、ダウンロード数・売上げともに国内No.1のマンガアプリ「ピッコマ」を運営するカカオピッコマ(カカオジャパンから改称)に、若年層に人気のマンガの動向を聞いた。同アプリは18歳以上推奨のため、本連載の対象のYA世代 […] -
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第10回 「TikTok効果」の限界と課題、クセの強さ補う工夫が必要
これまで2回にわたり、TikTokで「バズる」本の特徴・動向を検証してきた。今回は、全国展開の書店チェーンの本部に勤務する傍ら、TikTok上でマンガを紹介している人への取材内容を参考に、そこから見えた「TikTok売 […] -
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第9回 TikTokでバズる本とは?/ユニークで意外なその条件
前回のこの欄で、TikTok発で10代(とくに女子)にバズった本は、すでに過去に一度以上話題になったタイトルの方が多いと書いた。とはいえ、過去に売れたものならなんでもいいというわけではなく、そこからさらに傾向は絞られる […] -
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第8回 TikTokからバズる本が続出/「新しさ」の裏側に「保守性」も
2020年から短尺の動画共有サービス、TikTok上で、「けんご 小説紹介」(@kengo_book)などが紹介したことをきっかけとする本のヒットが相次ぎ、その支持層の中心は10代だと、たびたび報じられている。 代表 […] -
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第7回 「5分後に意外な結末」の面白さ、学研プラス・目黒哲也氏に聞く・下
前回登場いただいた学研プラス・コンテンツ戦略室の目黒哲也氏は「5分後に意外な結末」シリーズのほかにも、一般書の「マナーとコツ」シリーズ(累計160万部)、小学生向けの「最強王図鑑」シリーズ(同150万部)、学参の「マド […] -
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第6回 「5分後に意外な結末」の面白さ、学研プラス・目黒哲也氏に聞く・上
2013年に刊行を開始した学研プラスのショートショート・シリーズ「5分後に意外な結末」は、シリーズ累計が350万部超。学校読書調査や朝の読書で読まれた本などの小中高生向けランキングで、上位に入る常連であり、「○分で×× […] -
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第5回 20年読み継がれる唯一の〝ラノベ〟、「キノの旅」はなぜ人気なのか?
2000年に刊行が始まった、時雨沢恵一「キノの旅」シリーズ(電撃文庫、KADOKAWA)は、「学校読書調査」や「朝の読書で読まれた本」を見る限り、20年以上にわたって中高生に読まれ続けている唯一のライトノベルである。 […] -
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第4回 西尾維新「物語」シリーズの魅力、〝軽さ〟と〝重さ〟の両立
学校読書調査の「中高生が読んだ本ランキング」に、10年以上にわたって入り続けているライトノベルは、川原礫「ソードアート・オンライン」(KADOKAWA)と西尾維新「物語」シリーズ(講談社)、20年以上となると、時雨沢恵 […] -
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第3回 中高生が支持する作家・住野よる、作品の特徴と理由を探る
2010年代後半以降、中高生にもっとも支持されている作家は、住野よるである。学校読書調査や「『朝の読書』(学校)で読まれた本」を見ると、16年には『君の膵臓をたべたい』(通称「キミスイ」、15年6月発売)がランクインし […] -
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第2回 定着した〝サバイバルもの〟人気、現実との類似と乖離がポイント
高見広春『バトル・ロワイアル』(太田出版→幻冬舎)が1999年に刊行されると、「中学生がクラスメイト同士、殺し合う」という設定が物議を醸した。『バトロワ』型の「デスゲーム」や、極限状況での生き残りをかけたサバイバルもの […] -
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第1回 YA世代の読書の実際を探る、注目すべきは中学生市場
本連載では、いわゆるヤングアダルト世代(13~19歳)が、実際にどんな本を読んでいるのかについて論じていく。第1回は、その前提となる中高生の読書環境について整理してみたい。 小中高校生の平均読書冊数、不読率(1冊も本 […] -
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著者プロフィール:飯田一史氏
飯田一史氏 ライター。 文芸とサブカルチャーを中心に取材・執筆を手がける。 著書に『いま、子どもの本が売れる理由』(筑摩書房)、『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?』(星海社新書)、『ウェブ小説の衝撃』(筑摩書房)など […]