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第4回 西尾維新「物語」シリーズの魅力、〝軽さ〟と〝重さ〟の両立
学校読書調査の「中高生が読んだ本ランキング」に、10年以上にわたって入り続けているライトノベルは、川原礫「ソードアート・オンライン」(KADOKAWA)と西尾維新「物語」シリーズ(講談社)、20年以上となると、時雨沢恵 […] -
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第3回 中高生が支持する作家・住野よる、作品の特徴と理由を探る
2010年代後半以降、中高生にもっとも支持されている作家は、住野よるである。学校読書調査や「『朝の読書』(学校)で読まれた本」を見ると、16年には『君の膵臓をたべたい』(通称「キミスイ」、15年6月発売)がランクインし […] -
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第2回 定着した〝サバイバルもの〟人気、現実との類似と乖離がポイント
高見広春『バトル・ロワイアル』(太田出版→幻冬舎)が1999年に刊行されると、「中学生がクラスメイト同士、殺し合う」という設定が物議を醸した。『バトロワ』型の「デスゲーム」や、極限状況での生き残りをかけたサバイバルもの […] -
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第1回 YA世代の読書の実際を探る、注目すべきは中学生市場
本連載では、いわゆるヤングアダルト世代(13~19歳)が、実際にどんな本を読んでいるのかについて論じていく。第1回は、その前提となる中高生の読書環境について整理してみたい。 小中高校生の平均読書冊数、不読率(1冊も本 […] -
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著者プロフィール:飯田一史氏
飯田一史氏 ライター。 文芸とサブカルチャーを中心に取材・執筆を手がける。 著書に『いま、子どもの本が売れる理由』(筑摩書房)、『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?』(星海社新書)、『ウェブ小説の衝撃』(筑摩書房)など […] -
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第27回 口笛と楽器
サンキューもソーリーも、当たり前のように使い過ぎていて、「ありがとうはサンキュー」といちいち日本語から英語に翻訳することなく使いたい場面で自然と口をついて出てくる。 最初に使い始めたきっかけも、それがいつなのかも覚え […] -
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第51回 わかっていてもいなくても
3度目の緊急事態宣言により、勤め先の書店が休業していたため、今回は、その間にしていた、もうひとつの仕事の話である。 ストリップのステージは、通常15分程度だ。演劇やコンサートに比べると短いように思えるが、たったひとり […] -
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第50回 日用品と生活必需品
我が勤め先の日比谷コテージは、「御書印プロジェクト」に参加している。神社や寺院を巡って集める御朱印のように、書店を巡って御書印を集めるのだ。 レジで御書印帖を受け取ると、押印した横に「本は日用品です。」と必ず書く。 […] -
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第26回 犬の時間
マンションの階段を降りて右に行くと、少し遠回りになるけれど川沿いの遊歩道を通って駅に着ける。ほんの3分だけ早く家を出ればいいだけなのにこのわずかな時間がどうしても捻出できなくて、今年の春は桜の一番いい時期を逃してしまっ […] -
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第49回 生きる場所
その友人はフリーランスの助産師で、車さえあれば仕事ができる。 息子ふたりは大学生になって、それぞれ家を出た。ひと回り上の夫は定年退職をして、どうやら再就職より、家事を担当したい様子。認知症が進んだ両親はホームに入って […] -
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第48回 LIVEの実感
先日、久しぶりに配信ではないLIVEを楽しんだ。チケットの日付はちょうど1年前。コロナの影響で、予定していたLIVEが軒並み延期や中止になっていた頃だ。1年間チケットを大事に保管し続けたファンが、ライブハウスに集結した […] -
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第25回 文芸誌で小説を読む
最近、文芸誌の読書会というものを始めた。2月発売の文芸誌から始めてまだ2回。つい先日、3月売りの文芸誌で開催したばかりなのに、もうそろそろ新しい号が出るという。 もともと熱心に文芸誌を買うタイプでなく、これまでも特集 […] -
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第47回 営業時間の延長と短縮
小さな洋品店を営む知人が、どうにか売上げを伸ばせないかと頭を悩ませた末、営業時間の延長を試みたことがあったそうだ。店は2人でやっていたから、残業を交互にすれば、しばらくは続けられるだろう。値段を下げたり、広告を打ったり […] -
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第24回 あの日からの日常
2月の半ばに福島県沖を震源地とする地震があり、東京も大きく揺れた。本棚に詰めた本が次から次にバタバタと落ちる様を見ながら、あと5秒経ってもまだ揺れが収まらなければ本棚を押さえにいこう。そんなことを考えていた。 本当は […] -
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第46回 原作本
日比谷コテージには、映画の原作本を集めたコーナーがある。映画館が近いこともあって、映像化帯の文庫がよく売れるのだ。 作家が紡いだ物語が、文字ではなく、映像になって多くの人に届く。そのなかには、原作があるのなら読んでみ […] -
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第45回 猫の鳴き声
仕事帰りの夜道、歩を緩めれば、物陰からじっとこちらを見ている存在に気付く。駐車場の前で足を止め、手土産のおやつを持って「こんばんは」と声をかけると、猫たちはおっかなびっくり集まってきた。 それを繰り返すうち、彼らには […]