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第39回 「趣味」という快楽
これを書いている今も、そしてこの原稿が出る頃も、おそらく私は「カムバ」で忙しい日々を送っている。 カムバック、通称「カムバ」とは韓国のアイドルが新しいアルバムをリリースして活動をすること。日本のアイドルと違って、バラ […] -
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第75回 もう○○ない!
タモリといえば「笑っていいとも!」の司会というイメージだが、かつてCDを出していたことを憶えている人はいるだろうか。正確には私が生まれる前に発売したレコードの、復刻版CDだ。 知人からそこに収録されたネタの話を聞き、 […] -
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第74回 自分のお店
新宿の喫茶店「らんぶる」で元同僚を待っている。日比谷コテージの閉店以降、顔を合わせていないが、きっと絵を描いたり服を作ったり、彼女らしく過ごしているのだろう。 隣のボックス席から聞こえてくる会話に耳を傾ける。どうやら […] -
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第16回 「ラノベ」の新しい人気シリーズ、「探偵はもう、死んでいる」を分析
中高生におけるラノベのプレゼンスの低下、読まれるタイトルの固定化(「ソードアート・オンライン」、〈物語〉シリーズ、「キノの旅」といった10年、20年選手が強く、新作は弱い)については、本連載の過去の回でも触れてきた。 […] -
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第38回 読むための筋力
筋肉は嘘をつかない。 とはいえ、筋力トレーニング後のパンプアップに対する感慨ではなくて、私の場合は筋肉痛への所感だ。 先日、どうしても1時間以上歩かなければいけない状況に陥った。話し相手がいたということもあり、歩い […] -
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第73回 私の上野
高校生の頃、上野駅構内の居酒屋でアルバイトをしたことがある。あの頃はまだ、地下通路の脇にホームレスの人や酔い潰れた人が座っていて、治安がいいとは言えない場所だった。 瓶ビール用のサッポロだかキリンだかのロゴがプリント […] -
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第72回 いざ、神保町へ!
「異動で離れた店舗には一切近付かない」と、潔く言い切る上司がいた。確かに、後を継いだ人にとってはプレッシャーだし、手を出せないもどかしさもあるだろう。 しかしその日の私は、娘のアルバイト先に偶然を装って押しかける母み […] -
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第37回 趣味は何ですか
自己紹介が苦手だ。 4月といえばと思い返してみて、毎年自己紹介が嫌だった思い出しかないくらい苦手だ。当たり障りのない自己アピールの正解を探し続けているうちに学生時代が終わってしまった。 自己紹介がたいてい出席番号順 […] -
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第15回 今なお読まれる70年前の名作、太宰治「人間失格」の謎に迫る
近年、太宰治『人間失格』が中高生の人気を呼んでいる。2021年の学校読書調査では、高1男子の読んだ本の1位を獲得。18年の調査でも、高校女子の上位に入っていた。 たしかに『人間失格』は、読書感想文や各社の夏休み文庫キャ […] -
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第14回 ’21年学校読書調査から検証2、東野圭吾作品に根強い支持
2021年の学校読書調査では、東野圭吾の『ラプラスの魔女』や、「マスカレード」「加賀恭一郎」「探偵ガリレオ」などの複数のシリーズが、高校生に支持された。だが2012年の同調査では、中高生に対する「いちばん好きな作家は? […] -
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第71回 渋谷のレジに立ちました
渋谷のど真ん中にある書店には、一体どんなお客さんが来るのだろう。慣れないインカムを耳に装着し、自動釣銭機が付いたレジに立つと、書店でアルバイトを始めた時からやっていることは変わらないはずなのに、世界だけがずいぶん未来へ […] -
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第70回 渋谷で働き始めました
渋谷という街は苦手だ。10代の頃は制服にルーズソックスでセンター街を練り歩いたものだが、昨今は好きなバンドのLIVEがある時だけ、そそくさと現場へ向かい、事が済んだら裏通りの古い焼き鳥屋で一杯飲むくらいだ。 それがま […] -
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第36回 怖い読書
忙しかったり、予定が合わなかったりと数回続いたのち立ち消えになっていた文芸誌の読書会が、数カ月ぶりに復活した。 コロナ禍に始まったこの読書会はこじんまりとしたもので、参加者全員とそれなりに長い付き合いがある。好んで読 […] -
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第69回 店をたたむということ
シフトの都合で、開店準備はできても、閉店作業の経験がほとんどないままだった。ピンチヒッターとして遅番に入ると「朝の仕事の逆をすればいいんだよ」と言われるが、まとめたゴミをどこへ持っていけばいいのかもわからず右往左往する […] -
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第13回 ’21年学校読書調査から検証、高校生に人気の知念実希人作品
2021年11月、同年6月に実施された学校読書調査の結果が発表された。この調査では毎年、小中高生に「読んだ本」を訊いているが、その結果から最新の中高生の読書傾向について考えてみたい。 ジャンルとしては、ケータイ小説系 […] -
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第68回 またどこかで
日比谷コテージが閉店する。その悪いニュースを店長の花田から聞かされたのは、忘れもしない12月8日の朝だった。コテージで働いたあと、一緒に八重洲ブックセンターで開催されるトークイベントに出演する日である。 よりによって […]