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第43回 変わり映えのない毎日
私の人生には何も起きない。 1カ月に一度、この連載を書くためにパソコンに向かうたびそう思う。毎日起きて、労働して、帰宅して。その間にたくさんの取るに足らないことがあり、特別だと思う瞬間もそれなりにある。けれども、いざ […] -
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第83回 書店員の性
「怪物が出てくる本」で、パッと思いついたのは、樋口毅宏の文春文庫『二十五の瞳』だった。タイトルや表紙からは想像もつかない、ニジコという怪物が登場する。 楽屋で化粧をしている時、同室の姐さんから、よく本について質問を受 […] -
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第82回 本屋か100円ショップか
福井でドライブをしていたら、書店の看板が見えたので、立ち寄ることにした。 都内と違い、車移動がメインの土地では、遠くからでも「本」という文字が目立つ看板を掲げる店が多い。そして大抵、文房具やCD・DVDの売場が併設さ […] -
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第20回 大学生の不読率上昇原因は? 「学生生活実態調査」もとに検証
2021年10月~11月に実施され、22年3月に発表された、全国大学生協連による「第57回学生生活実態調査」。この調査によると、1日の読書時間を0分と回答した学生の割合は、2012年には34.5%だったが、21年には5 […] -
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第42回 個人的なものとしての死
猫を家族として新しく迎え入れたばかりの友人が、「この子を最期まで看取れるか不安だ」とぼそっと言った。猫の寿命を最大限に長く仮定しても、この子が亡くなる時、私たちは日本の女性の平均寿命にも達していないはずだった。すぐに、 […] -
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第81回 蟹、見つけた
高円寺駅の南口を出て、パル商店街のアーケードを抜けたら、左手に小さな蟹の看板が現れる。このビルの2階に目当ての店はあるようだ。 階段の壁に並ぶ郵便受けや、ゴミ出しについての貼り紙が、誰かの家に来たみたいで胸が高鳴る。 […] -
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第80回 梅干しよりカツサンド
口内で分泌された唾液は、適宜飲み込んでいるはずだが、口の外に垂れることもある。それを私は受け止めたい、この細長いプラスチックの容器で。しかし垂らそうと思えば思うほど唾液は出ない。 コロナ感染者が増えているため、PCR […] -
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第19回 中高生に確実に本を届けるために、学校・公共図書館現場への提言
中学・高校の学校図書館や公共図書館が、YAサービスについて書いた近年の書籍や雑誌をまとめて読んだ。苦々しい気持ちになった。司書による施策の成功事例が、なかなか見当たらないからである。 子どもが小学校から中学校、高校と […] -
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第41回 「本を読む人」を見る
先日、出版社のアノニマ・スタジオが主催するブックマーケットが3年ぶりに開催された。 全50ブース・56社が参加する本のお祭り。3年前にはお客さんのひとりとして参加したが、今年はほんの2時間だけ、売り子をすることになっ […] -
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第79回 贅沢読書
三国の海を望むイタリアンでパスタランチを食べた。といっても海までは相当距離がある。そこは高台で、斜面に根を張る桜の木に囲まれたテラスにはソファが並び、枝々の間に海がキラキラと輝く。 オーナーは昼の営業を終えるといった […] -
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第78回 「ない」の証明
最初はPHSだった。白いおもちゃのような筐体をポケットに入れて納品の作業をしていると、店内のどこにいても、自分の担当ジャンルについての問合せに対応できる。ある程度の広さの書店なら、お客様をお待たせする時間を短縮し、売り […] -
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第40回 現実が見える
現実って一体何だろう。子どもの頃、自分と目の前の友だちが交換不可だと気付いた瞬間を思い出す。もしくは自分が「在る」とはどういうことかと悶々とひとり考えていた中学生の自分を。またはもっと美人に生まれていたらと自分の容姿と […] -
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第18回 中高生が読む小説以外の本、共通点は「陰キャの自己慰撫」
学校読書調査の結果わかった「中高生がよく読んでいる本」のうち、小説以外のものを見ると、ある共通点があることに気づく。ひとことで言えば、「陰キャの自己慰撫」(陰キャ=後ろ向きな人)だ。それをひとつずつ見ていこう。 まず […] -
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第77回 旅先の書店
仕事で愛媛県の道後温泉に滞在している。夕方までは時間があるので、朝目が覚めたらオレンジ色の路面電車に乗って、あちこち出掛けるのが日々の楽しみだ。 繁華街らしき「大街道」で下りると、目の前の商業施設に明屋書店の看板を見 […] -
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第76回 ストリップ劇場でサイン会
道後温泉にあるストリップ劇場は昼間、うどん屋として営業しているらしい。温泉客は宿で食事を摂って夜の街へ繰り出すから、営業開始時間が遅いのだ。それまでの間、別の業態で場所を活用することは経営を助けるし、地元の人や観光客に […] -
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第17回 存在感増す児童文庫作品、中学生のラノベ離れと対照的に
学校読書調査で明らかになった中高生の〝ラノベ離れ〟に関しては、本欄でも何度か触れてきた。それと対照的に、中学生において存在感を増したのが、児童文庫作品だ。 2021年の同調査では、「今の学年になってから読んだ本」の上 […]