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本屋の新井です
第36回 これからの書物
3月に予定していた大好きなロックバンドのLIVEが、新型コロナウイルスの影響で開催が延期になり、もうさすがに中止か、と諦めかけた10月、ようやく振替公演が行われた。これほど長引くなんて、誰が想像しただろうか。 時を同 […] -
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第35回 自由に読める本
その小さな本棚には『かくかくしかじか』や、『富士山さんは思春期』『今日は会社休みます。』『クッキングパパ』などのコミックが並んでいた。 都内にあるひとり暮らしの部屋にも『かくかくしかじか』は全巻揃っているが、福井 […] -
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第34回 本が吸うにおい
先日、新しくできた商業施設を訪れると、やけに本棚が目立つレストランが目に入った。ガラス張りの店内は、中央にキッチンが見通せるカウンター、その右側に本が並び、手前にカフェのようなスペース、左側は全くのレストランという作 […] -
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第33回 思い出のレジ袋
東京ディズニーランドおよびシーでは、10月1日から買い物袋が有料化される。ディズニー帰りであることが一目でわかる、キャラクターが描かれたビニール袋は、わざわざディズニーに行く人にとってはそれすらもお土産であり、たとえ […] -
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第32回 「ビジネス○○」
板前が握ったばかりの寿司は、確かに美しい。しっとりと艶やかで、つい写真に収めたくなる。だがアングルを調整したり、写り込むおしぼりをどかしたりしているうちに、寿司はみるみる輝きを失い、味は落ちていく。 本当の寿司好 […] -
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第31回 出入りの衣装屋
ストリップ劇場の楽屋には、特大のトランクを提げた行商が、ふらりとやってくることがある。売っているものは、舞台用の衣装だ。買おうと思ってもなかなか見つからないもので、こうして目の前に実物を持って来られると、つい手に取っ […] -
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第30回 温泉と読書
7月の中旬は、福井県の芦原温泉に滞在していた。温泉街にあるストリップ劇場で踊るためだ。寝泊まりしていた劇場の2階からは、通りを挟んだ「芦湯」の屋根が見えた。朝7時から解放されている足湯の施設で、誰でも無料で利用できる。 […] -
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第29回 頼まれなくてもやってしまう
いちばん最初は、売場に飾るPOPだった。そのうち店頭でお客様から尋ねられるようになり、ラジオやテレビでも同じようなことをしてきた。本のセールストークだ。書店員という立場上、真っ先に考えるべきは勤め先の利益であり、店の外 […] -
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第28回 人に話を聞いてもらうということ
この原稿を書く、数時間前の話である。朝の満員電車は日常に戻りつつあるが、近隣の映画館や劇場が再開しないことには、平日午後の客足が伸びない。そんななか、久しぶりにメンバーが揃ったこともあり、ミーティングを行うことになった […] -
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第27回 レジ袋有料化
いよいよコンビニエンスストアも、今年の7月1日からレジ袋が有料化される。スーパーと違い、急な利用が多いことや、店員が袋詰めするイメージから、有料化は難しいだろうと思っていた。 だが、店頭の告知ポスターを見て、いよいよ […] -
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第26回 喉元過ぎても考える
今年の5月5日は、気持ちのいい晴天だった。昼飯用の総菜を求めに商店街へ行くと、「和菓子屋に50人くらい行列しているらしいよ」と噂する声が耳に入り、ギョッとした。 近所の人は、毎年その老舗で柏餅を買うのが恒例なのだろう […] -
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第25回 熱い気持ちを浴びに行く
鶴谷香央理さんのコミック『メタモルフォーゼの縁側』(KADOKAWA)の最新刊4巻を読んだ。75歳の市野井さんと女子高生のうららさんが、好きなBLコミックを通して交流を深めていく物語だ。 すると何だか、オカヤイヅミさ […] -
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第24回 待ち遠しい日
新型コロナウイルスの影響で、勤め先の書店がしばらく休みになる前日、私は大量の本を買い込んだ。売場で気になっていたコミックや、分厚い小説の単行本、ちょっとマニアックな料理書に、最近気になるヨガや台湾の特集をした雑誌など、 […] -
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第23回 それもタイミング
SNSでの告知や宣伝は、タイミングが大事だ。草木も眠る丑三つ時より、テレビで言う「ゴールデンタイム」を狙ったほうが、基本的には人の目につきやすく、広く共有されやすい。 それは新刊の発売も同じで、世の中が不安定で暗く落 […] -
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第22回 今すぐここで買いたい!
3月の後半は書店を休み、上野のストリップ劇場で踊り子として働いていた。そこの社長さんから、本を持ってきたら受付で売るよ、と声をかけてもらったとき、私は「気を使わせてしまったな」と思った。挨拶代わりに、自著をお渡ししてい […] -
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第21回 私がいてもいなくても
10日間、書店の仕事を休んだ。この10年、風邪を引かず怪我もなく、これほど長く連休を取ったのは初めてである。 毎日のように新刊が入荷するし、たとえ納品がない日でも、営業していれば必ず本は動く。自分が長く不在にすれば、 […]