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第10回 出版関係者の意識の変化 出版界の課題(2)
必要とする人に情報が届くには、検索サービスや情報サイトが用意されるだけでは十分ではない。情報を利用者につなぐ・届ける存在も重要だ。公共図書館は読書バリアフリーに関する情報を利用者に伝える重要な役目を負っているが、専修大学 […] -
第9回 情報はどこで得られるか 出版界の課題(1)
紙の本以外のかたちで本を読みたいというニーズに応える出版物は、数的質的に十分かどうかはともかく、ないわけではない。今後もさらに充実がはかられていくと思うが、問題はアクセシブルな出版物の情報がそれらを必要とする読書困難者に […] -
第8回 その他のアクセシブルな書籍・電子書籍
市販の電子書籍のフォーマットは、多くがEPUB、もしくはPDFだが、それ以外のフォーマットも存在する。 DAISY(デイジー)は、Digital Accessible Infomation SYstemの略で、「アクセシ […] -
第7回 テキストデータ提供とは
本のアクセシブル化には、リフロー型の電子書籍があればいいのかというと、事はそう簡単ではない。全盲のスーダン人、モハメド・オマル・アブディンさんは著書『日本語とにらめっこ 見えないぼくの学習奮闘記』(白水社)でこう訴えてい […] -
第6回 電子書籍のアクセシビリティ
現在流通している電子書籍のフォーマット、EPUBにフィックス型とリフロー型があることは第3回でふれた通りだが、主にビジュアルものに使われるフィックス型では文字組を変えたり、文字要素を抽出したりはできないため、自動音声読み […] -
第5回 本を音で読む・後編
前回、オーディオブックが真にアクセシブルなものになるための課題として、コンテンツの量的充実と、サイト・アプリのアクセシビリティ対応をあげた。後者は事業者の対応に期待したいが、前者は出版社が取り組むべき課題だ。小学館でも近 […] -
第4回 本を音で読む・前編
出版物の音声化には、大きく分けて、人が読む方法と、音声合成を利用する方法がある。前者には、主に出版社が刊行し、ストアで販売され、一般読者が楽しめるオーディオブックと、主にボランティアにより作成され、公共図書館・点字図書館 […] -
第3回 「本」に選択肢を
バリアフリーでアクセシブルな出版物がどのようなものであるべきなのかは、読書困難者の「困難」がどこにあるのかにより変わるため、簡単に集約することはできない。すべてをカバーする最適で単一のかたちはない、ということだ。 紙の本 […] -
第2回 読書バリアフリー法とは
「読書バリアフリー法」、正式名称「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」が施行されたのは2019年。「読書環境の整備」とあるくらいだから、出版に携わる者なら知らずにいることはできないはずだが、施行後4年以上が経 […] -
第1回 「ハンチバック」の衝撃
〈読書文化のマチズモを憎んでいた〉〈「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた〉--昨年、第169回芥川賞を受賞した市川沙央さんの『ハンチバック』(文藝春秋)に登場するこのくだりに衝撃を受けた「本好き」は少なくないだろう。 […]