-
本屋の新井です
第39回 「はい、よろこんで!」
「閉店」と貼り紙がしてある、居酒屋の引き戸を開けた。駆け付けた店員は、今日で店を畳むから、限られたメニューしか用意できないと言う。そのつもりで来たから、問題はない。広い店内には、ひとりで静かに飲むお客が数人だけだった。 […] -
失われた屋号を求めて
第21回 カンビュセスの籤
「私の人生は、私のものだから」 公衆電話の受話器を握りしめたポニーテール姿の少女が、目に涙と希望を浮かべながらそう言い放った瞬間、ざばんと背後で波しぶきが立った。暗い館内は、封切りされたばかりの映画を見ようと押しかけ […] -
本屋の新井です
第38回 年末恒例「推し本」イベント
今年で3回目となる「目利き書店員が本音で語る、愛と辛口にあふれた選評回!」が、12月2日に開催される。新潮社主催で、去年までは神楽坂にある「ラカグ」の広々としたイベントスペースで行われていた。 今年の会場は、新潮社の […]