-
失われた屋号を求めて
第12回 窓から入っていいよ
田舎の民家は鍵をかけない。少なくとも私の育った地域はそうだった。不用心と言われればその通りだけれど、泥棒に入られたという話は聞いたことがなくて、その代わり、毎日のように野良猫に入られていた。 両手を使って器用に引き戸 […] -
本屋の新井です
第21回 私がいてもいなくても
10日間、書店の仕事を休んだ。この10年、風邪を引かず怪我もなく、これほど長く連休を取ったのは初めてである。 毎日のように新刊が入荷するし、たとえ納品がない日でも、営業していれば必ず本は動く。自分が長く不在にすれば、 […] -
本屋の新井です
第20回 本をすすめる仕事
岩手県の奥州市立胆沢図書館が、とても手の込んだ新井賞の展開をしてくれている。しかし写真をよく見ると、肝心の本『ライオンのおやつ』(ポプラ社)が1冊しかない。書店でこれだけの展開をするなら、積み上げる必要があるだろう。だ […]