第99回 読書環境格差の是正を

2025年の出前授業「読書の時間」を、1月18日からスタートした。今回は広島・三原市で、三原市立中央図書館を会場に、三原市放課後児童クラブ(学童保育)と地元書店の啓文社との連携での開催となり、三原市内の放課後児童クラブから、53人の児童が参加してくれた。

 出前授業「読書の時間」は主に学校図書館の活性化を目指して実施してきた。放課後児童クラブと連携し、公共図書館で開催したのは初めてだったが、大きな混乱もなく終えられたのは、今後の新しい展開に向けての大きな一歩となったのではないかと思っている。

 このような活動を通して今、一番大事なことは子どもたちの読書環境を守ることだと考え、「子ども読書環境プロジェクト--子どもたちの読書環境格差をなくそう」を出版文化産業振興財団(JPIC)のもとで立ち上げた。今年から本格的に動き出す準備をしている。とくに学校図書館の整備状況は自治体によってまったく違い、居住する地域によって9年間の義務教育内で大きな読書環境格差が生じている現状を、変える一助となれたらと思っている。

 2025年、「読書の時間」事業は、コンスタントに毎月全国どこかの自治体で開催できるところまで育ってきました。我々の欠点でもあるのだが、言葉で説明するのは難しいので、一度ぜひ出前授業「読書の時間」を体験している児童の皆さんを見てほしい。お気軽にお声がけいただけたら嬉しいです。

(本紙「新文化」2025年2月6日号掲載)

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