大磯駅近くで営業していた、地元のクラフト作家のための常設店「つきやま」。9月5日にリニューアルオープンし、本の取扱いを始め、「つきやまBooks Arts&Crafts」として生まれ変わった。
それまで、大磯駅周辺に本屋は一軒もなかった。「つきやまBooks」は本と出合うことのできる環境を整備し、幅広い世代が集う場所づくりがしたいという、まちづくりグループ「暮らしの教室」の想いから生まれた本屋である。
店がある一角は、パン屋・カフェなどが入居する古民家が立ち並ぶ。
先日、このまちづくりグループが主催するイベントに105回目のゲストとして呼んでいただき、本のある暮らしについてお話させていただいた。
多くの参加者にお越しいただき、終日本のことを皆で考える貴重な時間となった。「暮らしの教室」はあなたの暮らしをちょっとだけ楽しくすることをコンセプトとしている。それを継続して創り上げてきた、コミュニティの力を感じた一日だった。
かつては大磯町にも本屋が存在していたそうだ。「この十数年でいずれも閉店した。町内に気軽に本と出合い、新刊を買うことのできる場を望む声が多かったので、小さいけど本屋がオープンしてくれてうれしい」という、地元参加者の言葉が印象的だった。
このエリアには「つきやまBOOKS」の他にもオープンに向けて準備を進めているお店がいくつかあり、本のあるまちづくりが進んでいる。今後が楽しみだ。
(本紙「新文化」2021年11月18日号掲載)