経済産業省の「書店振興プロジェクトチーム(PT)」は10月4日、「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」を同省のホームページで公表した。ヒアリングで得た「書店特有の課題」を29項目にまとめた。同日から11月4日までパブリックコメントを募る。
「書店特有の課題」は次の通り。①来店客数の減少、②粗利率を抑制する流通慣行(粗利率と小売価格)、③再販制度によりコスト転嫁が困難、④多過ぎる出版物の刊行点数、⑤委託制度による返品率の高さ・適正配本の必要性、⑥書店規模を優先した配本、⑦書店における注文書籍の到着の遅れ、⑧雑誌に依存した流通形態、⑨発売日協定による配送指定、⑩公共図書館の複本購入による売上げへの影響、⑪公共図書館での新刊貸出による影響、⑫地域書店による公共図書館への納入、⑬図書館の納入における装備費用の負担、⑭新規出店の難しさ、⑮キャッシュレス決済の手数料負担、⑯キャッシュレス決済の入金サイクルによる資金繰りの悪化、⑰ネット書店との競合、⑱地方自治体(公共機関、学校等)による調達方法の変化、⑲文化拠点としての書店の重要性の理解の希薄化、⑳書店による新事業開拓の不足、㉑多様な特色ある書店への展開不足、㉒活性化のための書店主催イベントの支援拡充および手続き緩和、㉓国や地方の補助や助成の活用の低さ、手続き負担、㉔新商材等の導入にあたっての支援、㉕DX化、データ管理の遅れ、㉖店頭の在庫情報が未把握、㉗万引き問題、㉘付録付き雑誌などの店頭オペレーションの負担、㉙文化施設、読書推進人材の活用機会が希薄。