第87回 岩手で初開催

先日、岩手県書店商業組合(玉山達徳理事長/東山堂)の通常総会に参加するため盛岡を訪れた。総会後、翌日から3日間にわたり開催される「こどもの本ブックフェア」の準備真っ最中のトーサイクラシックホール岩手(県民会館)に足を運んだ。

岩手県書店商業組合とトーハン東北支店が岩手県で初めて開催する国内最大規模の児童図書展示・販売イベントである。

絵本や図鑑、さらには紙芝居など小中学生向けの児童書を中心に、2万アイテム・約5万冊が並んだ会場は圧巻だった。

残念ながら、仕事の関係で実際に子どもたちが訪れた会場を拝見することができなかったが、報道を通じ、大勢の親子が訪れ、子どもたちが笑顔で会場を走りまわり、熱心に本を読んでる場面を目にした。岩手県では、こんなにも多くの児童書が一堂に会することはめったにない。子どもたちにとってかけがえのない本との出合いが生まれたのではないかと思う。

その日の夜、県書店商業組合関係者、トーハン関係者、そして準備に駆けつけてくださった出版社の皆さんでの前夜祭に参加させていただいた。

会の締めで、県書店商業組合のIwakyo・冨山純一事務局長が、「1人でも、2人でもいい、たくさんの本のなかから、かけがえのない1冊を見つけてもらえたらという想いで準備してきた」と話されていたのが印象的だった。今、これからの読者のためにできることを、である。

こんな素敵な場を創っていただいた関係者の皆さんに感謝したい。

(本紙「新文化」2024年8月1日号掲載)

著者プロフィールはこちら