先日、図書館問題研究会の第70回全国大会に、第5分科会の「資料情報 図書館員だから本気で書店と出版業界を理解する!」の講師として参加するべく、茨城県日立市に伺った。
「書店・図書館等関係者における対話の場」以降、図書館と書店・出版社等、互いの理解を深めることが大事であるという、図書館サイドの機運を強く感じることができる時間だった。
書店が置かれている現状と課題をしっかりとお伝えすることが今回の僕の任務であった。バイアスを取り除き、数字(結果)をもとに、その時々の書店を取り巻く環境の変化から見えてくる業界課題をお話しさせていただいた。書店や出版流通について認識されていないことも多いと分かった時間でもあった。
書店と図書館の垣根をもっと大胆にとり払い、連携して読書のすそ野を広くしていくためには、まずはお互いを知ることが急務である。
いつでも本に接することができる環境づくりが大切である。
子ども読書推進法には、「すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない」と書かれている。
未来読書研究所は、一貫して子どもたちの読書環境整備の必要性を訴えてきた。これからの読者である子どもたちのために、書店と図書館の連携が必要であると考えている。
そのためにも、まずは図書館のいまを知ることからはじめるべきではないだろうか。
(本紙「新文化」2024年7月18日号掲載)