取協、出版配送維持のための協力呼びかけ

日本出版取次協会は7月23日、東京・千代田区の出版クラブビルで開催した説明会「出版配送の現況と課題~日本の物流を取り巻く環境変化~」において、取次会社が出版配送維持のために出版社に協力を求めた際は、善処してほしいと呼びかけた。
国土交通省の方針を背景に、ある輸送会社が大幅な運賃改定を取次会社に提示したことを直接のきっかけに、今回の説明会を開催した。
現状、取協加盟5社(トーハン、日本出版販売、日教販、中央社、楽天ブックスネットワーク)の直近決算に基づく取次事業の実績は、売上高7266億円、営業損失54億円で、運賃は272億円にのぼる。仮に国土交通省が定める「標準的な運賃」の水準まで運賃が増加した場合、現状の299億円増となる571億円になると取協は試算する。
再販制度下では取次会社は上昇するコストを価格転嫁できず、取次各社の自助努力だけでは運賃上昇分を吸収することに限界を迎えていることから、出版社に協力を求めた。

写真=近藤敏貴会長(トーハン)