角川歴彦氏、国に「人質司法」違憲訴訟

6月27日、東京地裁に「人質司法」に対する憲法および国際人権法違反の判断を求める国家賠償請求訴訟を起こした。東京五輪のスポンサー選定を巡って、2022年9月14日に贈賄容疑で逮捕。同年10月14日に起訴された。当時79歳だった角川氏は不整脈などの持病があり、2カ月後に手術を控えていた。拘置所では、排泄を含む生活を24時間監視されて226日拘束され、取調べは78時間以上に及んだ。弁護士は勾留を取り消すよう申し立てたが、検察官は反対し、裁判所もその請求を退けた。
訴状では「人身の自由」「恣意的拘禁の禁止」「推定無罪の原則」「黙秘権」「防御権」「公正な裁判を受ける権利」「比例原則」「身体不拘束原則」といった憲法および国際人権法上の権利・原則が侵害されたことから、2億2000万円などの損害賠償を求めた。この裁判は角川氏の刑事事件の無罪を求めるものではない。人間の尊厳を守るためのもの。
同日、リトルモアは角川氏による『人間の証明 勾留226日と私の生存権』を発売した。英語版も出版し、日米同時発売となった。