第81回 本屋の役割

今朝の読書タイムは、未来屋書店さんが発行する、未来の読書家を育むための本と本屋の案内誌「みらいやの森通信」だった。

「未来の読書家を育む」ことを目的に、未来屋書店プレミアムサービスを開始するというお知らせが掲載されていた。未来屋書店さんが地域のサポーターと連携し、地域の子どもたちの読書活動を支援する取組みである。本のおすすめサービス・本の購入支援・本好きの仲間づくりなど、いくつかのサービスがあるなかに、本と本屋を知るイベントサービスがあった。本屋さん体験やじぶん本屋、みんなの企画、本をつくるワークショップ、出版社訪問ツアーなどが企画されていると書かれていた。

地域の人たちとともに未来の読者を育む場であることが、本屋の一つの役割であるという未来屋書店さんのメッセージを感じることができた。

「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」総会が4月18日に催された。書店側からの「助けて下さい」と懇願する理由を、「書店はなくなって当たり前、時代の流れと言われつつあったが、書店はなくしてはいけないものだという国民の声に変わっていけば、我々も生き残っていける」と発言したと聞き、正直悲しい気持ちになった。

国民の声を変えるのは権力者ではない。そのために自分達がどのように変わる必要があるのかを訴えてほしかった。

本屋は地域のどんな役割を担えるのだろうか。

今こそそれを伝える最大のチャンスのはずなのだが。

 

(本紙「新文化」2024年5月9日号掲載)

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