久しぶりに、読書推進プログラム「読書の時間」について書かせていただきたい。このプログラムを手掛けるNPO法人・読書の時間にとって、2023年度は学校図書館活性化策と同プログラムを用いたモニター授業等を、約80の自治体関係者や地方議員の皆さんにご提案し、実施することができた一年だった。
モニター授業は、主に「読書の時間」のワークショップで構成されている。立上げ当初から本事業に協力いただいている大日本印刷が制作した「読書支援キット」を活用するもので、生徒に学校図書館を積極的に活用し、学習に役立てるきっかけをつくり出すことを目的とする。
この授業を体験した生徒や、司書をはじめとする学校図書館関係者の皆さんからいただいた沢山のご意見を反映させ、都度ブラッシュアップを繰り返してきた。その効果もあり、1月に実施したモニター授業後のアンケートでは、98%が「楽しかった」「また参加したい」「図書館を使ってみたいと思った」と回答いただいた。
24年度は、より多くの自治体で「読書の時間」を開催できる体制づくりが整いつつある。さらに、サポートや連携を申し出てくださる児童書出版社が増えてきた。
1人でも多くの〝未来の読者〟を創るために、出版業界でできることはなんだろうか。
出版不況云々と嘆くだけではなく、出版業界全体で未来の読者に「読書体験」を知ってもらう活動を続けていけたらと考えている。
(本紙「新文化」2024年2月22日号掲載)