大日本印刷(DNP)は10月から、多言語に対応したマンガ制作ツール「DNPマンガオンラインエディトリアルシステム MOES」(以下、MOES)に、㈱10ANTZが開発した「マンガAI着彩機能」を搭載してトライアル運用を開始する。
従来は手作業で行っていた、マンガに色を付ける「着彩」の工程を大幅に効率化する。模様や色の濃さなどを、影やグラデーションに置き換えて着彩できる。DNPが行った実証実験では、電子書籍で配信するマンガを制作する場合、手作業と比べて作業時間が2分の1以下に短縮できたという。
また、オノマトペを削除し、削除後の部分にあるはずの背景を推定して描く機能も実装する。今までは、元の言語のオノマトペの画像を残し、その近くに翻訳を併記することが多かったのに対し、この機能によってより読みやすい表現を行えるようになる。
今後、12月に「マンガAI着彩機能」の本格運用を開始するほか、複数の多言語版を同時に制作する「サイマル対応」など、翻訳関連の機能を順次追加・改善して提供していく予定。