三洋堂ホールディングスは5月24日、東京・中央区の日本証券アナリスト協会小会議室で、2023年3月期連結決算の説明会を開催した。加藤和裕社長(写真)は、減収減益かつ赤字となった決算結果に触れ、「営業損失となったのは1993年以来、30年ぶり。これは商売をやっている意味がないということ」と苦衷をにじませた。
売上高が二桁減となった「書店部門」については、「(本の)メディアとしての力が弱まっている」と警鐘を鳴らし、話題が複合書店の業態におよぶと、「この世から複合書店はなくなるのではないか。我々は本を扱っているがゆえに、本と何かを複合させるという発想から脱却できず、赤字を招いた。本にこだわり過ぎた結果、この十数年の低落から抜け出せていないのでは」と見解を示した。
大きくプラスとなったのは、「TVゲーム部門」と「新規事業部門」。「TVゲーム部門」にはトレカの売上げが含まれ、部門の3分の2以上を占めるという。期中、「トレカ館」を9店舗に導入し、計16店舗まで拡大させた。24年3月期には24店舗まで増やす方針。「新規事業部門」では、ビュッフェと駿河屋へのFC加盟が牽引し、「次期も伸ばしていく」とした。