5月10日と同17日、東京・新宿区の本社で2022年度の全国トーハン会代表者総会を開催した。全社方針の説明に立った近藤敏貴社長は21年度の実績予想について、単体売上げは4035億円(前年比0.9%増)、返品率は36.5%(前年差プラス0.3ポイント)で、連結・単体ともに増収減益見込みと発表した。
一方で、ブックファースト・八重洲ブックセンターと出版社8社によるマーケットイン型販売契約における21年4月~22年2月の実績は、POS前年比1.7%増(対象店舗全体との実績差プラス5.6ポイント)、実売率75.0%(同プラス5.5ポイント)、返品率22.4%(同マイナス10.2ポイント)で、施策効果が確実に表れていると強調した。
また、丸紅と大手出版社が設立した「PubteX」に言及。「敵ではなく、持続可能な出版流通を目指すパートナーととらえている。取次会社の流通を活用してもらうため、付加価値を高めていく」と話した。
さらに、多くの業界団体が乱立している現状に触れ、自身が理事長を務める出版文化産業振興財団が、業界を横断する団体として「業界を1チームにまとめる」意向を示した。
19年以来3年ぶりの開催となった今回の総会は、10日に東日本・首都圏エリア、17日に東海近畿・西日本エリアに分けて実施した。
写真は、近藤敏貴社長