3月1日に「第5次『子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画』の案」に関するパブリックコメントの公募が締め切られた。NPO法人読書の時間では、図書資料の更新と地域と連携した読書活動の推進を軸とした意見を提出した。
計画案には読書センター機能に加え、学習センターと情報センターの機能を有することの大切さが明記されている。情操教育を目的とする小説を中心とした娯楽的読書だけでなく、情報教育を目的とし、図鑑や評論を中心とした機能的読書の推進を期待している。
学校図書館で新しく更新された資料での学びを実現するためには、読書センター・学習センター・情報センターとしての役割を果たせるよう豊富な資料や情報を有する必要がある。
古い図書資料の更新が進まず、古い情報での学びを強いられている子どもたちが多い。「学校図書館図書整備等5か年計画」で財政措置された図書館のために使われるべきお金は、自治体の事情で図書予算化されていないのが実情であり、学校図書館図書標準がその足枷の一つとなっている可能性が高い。
一度、全国の自治体の資料購入に関する地方交付税額と実際の図書購入額を調査して公表し、さらには予算化に至らなかった理由も併せて調査・公表いただきたいと強く要望した。
読書世論調査の結果から、2008年と19年を比較すると、小・中・高いずれも、学校図書館に行く人が減り、行かない人が増えている。
まずは、実態を把握することからはじめたい。
(本紙「新文化」2023年3月9日号掲載)