今年で3回目となる「目利き書店員が本音で語る、愛と辛口にあふれた選評回!」が、12月2日に開催される。新潮社主催で、去年までは神楽坂にある「ラカグ」の広々としたイベントスペースで行われていた。
今年の会場は、新潮社の重厚な会議室だ。どれだけの作家がこの部屋を訪れただろうか。本好き、新潮社好きにとってはたまらない空間である。会場参加チケットはすでに完売。コロナの影響で、定員を絞る代わりに、有料配信も行う。
登壇者は例年通り、HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEから花田菜々子と私、八重洲ブックセンターの内田俊明氏に、紀伊國屋書店新宿本店の竹田勇生氏。それぞれが今年の「推し本」を持ち寄り、偏愛を炸裂させるトークイベントなのだ。
会場には紹介する本が用意され、トークを聞いたお客さんたちは、演者たちの熱に浮かされたまま、お会計の列に並ぶ。私は毎年この瞬間に、身が引き締まるのだ。飛ぶように推し本が売れていくその光景は、向こう1年分のモチベーションになる。
自分が棚に差した本をレジで受け取ることや、棚を任されるということが当たり前になっても、それはやっぱり嬉しくてたまらんものなのだ!
(新井見枝香/HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE)
(本紙「新文化」2020年11月26日号掲載)