トーハンは、日本出版販売が2025年2月末日でローソンとファミリーマートの出版配送を撤退することを受け、両社との協議に入った。近藤敏貴社長は10月25日、名古屋・中区のANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋で行われた中部トーハン会で、自社の物流改革と合わせ、出席した会員書店と出版社に対し理解を求めた。
ローソンとファミリーマートへの配送時期について近藤社長は「25年のいつ頃から始めるかは、現時点ではいえない」と述べた。トーハンは現在、セブン-イレブンなどに配送しているが、ローソンとファミリーマート2社を引き継いだ場合、現状の3倍の店舗数の配送を担うことになる。
近藤社長は昨年、「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」(書店議連)の活動の一環で、岸田文雄首相に提言書を渡した際、出版流通の現状について直接話したという。トーハンでは来年から26年までの中期計画で、出版流通に関してより注力する方針。「コンビニに本売場がなくなった場合、今後の雑誌文化はどうなってしまうのかと危惧している。リスクを冒してでも、コンビニ配送も含め、流通について真剣に取り組んでいきたい」と語った。
写真=近藤敏貴社長