灼熱の日本列島という言葉がぴったりくる猛暑日続きの今夏。朝晩は涼しさを感じられるようになったが、日中はまだ暑い日が続いている。猛暑は書店の売上げに、どのように作用したのだろうか。予想してなかった形で来年度にも、大きな影響を与えそうだ。
NPO読書の時間では、9月から始まる各地の地方議会で、学校図書館整備を取り上げていただくよう働きかけてきた。しかし、議会でなされる予定の質問を記した「一般質問通告書」を見ると、いずれの自治体も、来年度の教育予算で大きく取り上げられているのは公立小中学校のエアコン設置に関する質問だった。
普通教室のエアコン設置率は、青森71%と北海道16%を除けば90%以上になっている。一方、図書室を含む特別教室は、東京は90%を超えているものの、全国平均は61%であり、体育館に至っては15.3%と設置が進んでいないという調査結果が公表された。普通教室は2018年の特例交付金が後押しして設置率が上がったが、来年度に特例交付金が出ない場合、他の交付金をエアコン設置に回すという状況が想定される。学びの効率を向上させる以上に、時に人命にかかわる熱中症対策としても、今秋の地方議会における教育予算の議題として最優先されるだろう。
先日、本紙1面にも書いたが、学校図書館整備を優先すべき課題と認識させるために、業界としてどのようなスタンスとストーリーをもって参画すべきか、早々に取りまとめることが必要な局面を迎えている。
(本紙「新文化」2023年9月7日号掲載)