紀伊國屋書店、日販、CCC、合弁会社設立のための協議開始で基本合意

紀伊國屋書店、日本出版販売、カルチュア・コンビニエンス・クラブの3社は6月19日、新会社設立の協議を開始することで基本合意。23日にその概要を発表した。今秋をめどに出資する新会社の実行計画を策定し、設立準備を進める。書店と出版社が販売・返品にコミットして送品数を決める新たな直仕入れスキームで、書店の粗利率が30%以上となる取引を増やす。
直仕入スキームにおいては、3社が保有するシステムや単品販売データなどを利活用して欠品による販売機会の喪失を最小化するとともに、AIを活用した需要予測に基づく適正仕入れで、売上げ増、返品削減、環境に優しい流通を実現するという。日販がもつ物流インフラ・配送網を利活用して、紀伊國屋書店やTSUTAYA、TSUTAYA BOOKSTORE、蔦屋書店、日販グループ書店の約1000店舗で進めていく計画だ。新会社の出版流通改革に賛同する他の書店も利用できるオープンな仕組みにしていく考え。
紀伊國屋書店の高井昌史社長は「書店を核にした出版流通改革に取り組むことで、持続可能な出版流通サイクルを創り出していこうと決意しました」とコメントを発表した。

写真=前列左から、CCC・増田宗昭会長、紀伊國屋書店・高井昌史社長、日販GHD・吉川英作社長、
   後列左から、CCC・高橋誉則社長、紀伊國屋書店・藤則幸男副社長、日販・奥村景二社長