大日本印刷(DNP)はこのほど、アニメーション制作にかかる時間やコストを大幅に抑制した「ライトアニメ」事業を開始した。
出版印刷事業で培ったコンテンツ加工技術などを応用・発展させ、独自のアニメ制作手法として「ライトアニメ」を開発。台詞の吹き出しなどを削除したマンガ原稿に着彩や分割を行い、必要に応じてアクションを加えて動画にすることで、制作期間とコストを大幅に抑える。制作時間は従来平均の約12分の1、費用は約10分の1での提供を目指す。
制作したアニメ作品は、DNPが事務局となり、動画配信プラットフォームに向けて放送権を販売する。電子書籍販売サイトやデジタルコンテンツ配信サービスを通し、消費者に作品の提供・販売を行う。第1弾として、8月からhontoで柊のぞむ「どっちもどっち」(海王社)のアニメーション付電子書籍の販売を開始した。
来年3月までに、国内での放送を想定したアニメ制作を開始するほか、グローバル市場へのコンテンツ輸出事業の開始や最先端のAI技術をもつ企業との提携などを予定。同事業全体で、2025年度までに30億円の売上げを目指すとしている。