2022年の学校読書調査が、11月1日に発表された。
不読率(5月1カ月間に読んだ本が0冊の児童生徒)は、小学4~6年生が6・4%、中学1~3年生が18・6%、高校1~3年生が51・1%(1冊以上読んでいる人の割合を「読書率」とすると、小学生93・6%、中学生81・4%、高校生48・9%)。1カ月の平均読書冊数は小学生が13・2冊、中学生が4・7冊、高校生が1・6冊だった。
これらの結果を、韓国と中国における読書調査結果と比較してみよう。
まず韓国では、韓国文化体育観光部が本と社会研究所に委託・実施した「国民読書実態調査」、中国では中国新聞出版研究院による「全国読書調査」(ともに2021年度)を比較対象とする。
韓国では、過去1年間に一般図書(教科書、学習参考書、受験関連書を除く)を1冊以上読んだ「年間総合読書率」(紙の本、電子書籍、オーディオブックのいずれかを読んだり聞いたりした割合)は、小中高校生の平均で91・4%だった。ただし前回(19年)の調査と比べ、「紙の本」に関して小学生は94・8%から93・2%へ、中学生は91・6%から87・0%へ、高校生は86・3%から82・1%へと、それぞれ減少した。
年間の読書冊数は、小学生が66・6冊(月平均5・6冊)、中学生が23・5冊(同2・0冊)、高校生が12・6冊(同1・1冊)だった。
中国では、書籍、新聞、定期刊行物、デジタル出版物を含む「全メディア合計の読書率」を尋ねている。中国の未成年者(0~17歳)の読書率は、83・9%。9~13歳の読書率は99・1%(2020年は98・7%)。14~17歳は90・1%(2020年は98・7%)となっている。
平均読書時間は、9~13歳で1日25・5分、14~17歳は同51・48分※。年間の読書冊数は、9~13歳で10・21冊(月平均0・9冊)、14~17歳で13・10冊(同1・1冊)。
※14~17歳は平均1日50分以上も読むため、「年間」ではなく「月間」の読書冊数なのではと思い確認したが、「2021年の~」としか書いていないため、原資料通り、年間冊数としている。
こうして見ると、日本は小中学生の読書率は中国・韓国とさほど差はないが、平均読書冊数では、日本の方が中・韓より圧倒的に多い。
一方、高校生の読書率は日本が3~4割低いものの、平均読書冊数では、中国・韓国をやや上回っている。中国、韓国では、低年齢のうちから熾烈な受験勉強を強いられるため、子どもも読書どころではなく、結果、冊数が少ないのかもしれない。
しかし日本ではその代わり、部活動が盛んである(中国や韓国には、基本的に日本の部活のようなものはない)。それを思えば、「日本の子どもたちは忙しいわりに、けっこう本を読んでいる」と言っていいのではないだろうか。
ちなみに成人の紙の本の読書率は、日本52・7%(文化庁「国語に関する世論調査」2018年度)、韓国47・5%、中国59・7%でそれほど差はないが、大人の方が子どもより本を読んでいない事実は、いずれの国にも共通しているようだ。
(2022年12月22日更新 / 本紙「新文化」2022年11月24日号掲載)